12月8日(木)まで受付中「菊乃井本店」特製三段おせち/限定25セット 172,800円(税込)/家庭画報でしか味わえない、7年目を迎える本誌特製おせち 名店珠玉の26種類をご家庭でどうぞ この商品の販売は終了いたしました

菊乃井本店ご主人 村田吉弘さんが語る/京のまごころ、菊乃井の三段おせち/京都の名店「菊乃井」三代目ご主人・村田吉弘さん。世界的にも名を馳せる京料理の顔

詰め方

京都ではおせちと言わず、重詰めとかお重と言います。
このおせちは昔ながらの手法、段流しという作り方で作ります。
上のものをとっても、その下にも同じものを詰めてある。
下のものがあるから、上のものをちょこちょこつまんで食べても見た目が
そんなに汚くならないんです。
倍入ってるから、うちのおせちはよその倍重い。
せっかく重に詰めてあるのに、
1回食べたらぐちゃぐちゃっていうことにはしたくないので。

【壱の重】

助子落雁、鰻八幡巻き、子持ち鮎鞍馬煮・木の芽、
枇杷玉子・黒胡麻、サーモン絹田巻き、床節旨煮、
鰊昆布巻き、小川唐墨、花百合根、車海老艶煮

煮しめは入れない

あえて、煮しめもんとか原価がかからず、嵩がとれるものは入れません。
贅沢なものがたくさん入ってるなあというのがおせちです。
本来、京都のおせちは四段(もしくは五段)。
だからこういう三段にあと一段、煮しめがずらりというのがつきます。
その煮しめはいらんだろうと思い、この形になりました。
料理屋のおせちは、宴席が始まることを想定してお酒が飲めるものばかり入れています。 すなわち、お正月のごちそうと言えば、日本料理の場合、山海の珍味。
これを使って、家庭ではできないような手間をかけたものと、材料そのものが贅沢でこんな贅沢なもの、こんなに入っているのかっていうことにしたい。
普段なら、からすみこんなに食べたらどうなるんだろうって思うくらい。
からすみに匹敵するごちそう素材がたくさん入ってる、そういう印象のおせちです。

【弐の重】

穴子竜眼、このわたさいの目・人参・針柚子、
牛肉大和煮、鴨松風、鴨ロース、鮑柔らか煮、
わらびいか、数の子・梅人参

正月のごちそう

正月くらい豊かな気持ちでいたいでしょう。
からすみをいかで巻いて二週間粕に漬け込んだり、あわびを柔らかく煮て
両端を切ったものをびしっと入れて、数の子こんなにたくさん入っているとか。
食べても食べても減らんなあというおせち。
家族でおせち食べていて、正月から「数の子はひとり三個」とか、
そういうことにならないようにしたかったんです。
「正月くらいは……」という気がみんなにあるから、料理屋としてはその
「正月くらいは」という気持ちでおせちを作らないと優雅なおせちはできない。
これは、二人で食べてもらうように作っているおせちではない。
家族四人くらいで食べるように作っている。
だいたい五、六人分はあります。
それぞれの料理がだいたい六個ずつくらい入っています。
お客さんが来たときも皿にちょちょっと盛って、
何もないんですけどって言って出す。
お客さんはわざわざこんなものまで用意してるんだなと思う。
家族で朝しっかり食べても、まだまだ十分にあるからこんなふうに
お客さんにも出せるというわけです。

【参の重】

蛤海胆焼き、鯛龍皮巻き・小梅柚子、
伊勢海老利休焼き、まながつお味噌漬け、
かれい黄身雲丹ろう焼き、松笠くわい、いくら、
ごまめ、たたき牛蒡、黒豆、梅蕪

手間

最高のものを最高の手間をかけて調理する。
12月24日で京都の本店を閉めて年末までおせちを作る。
数の子を戻す、ごまめ(田作り)を作るとかできることから始めて
最後に煮炊きするものへと進んでいきます。
一般的にはこうするけど、菊乃井はこうするって言うのがあるんです。
できることは夏のうちからやっておくとかそういうことはしません。
冷凍とか真空パックとかもしませんね。
そんなもの、正月から人に食べさせたくない。うちの厨房のスタッフは30名。
その30名がかかりっきりになって作る。
うずらの卵をゆがく、穴子は巻いてひもで結んで適切な煮方で煮る。
えびはこの色を出そうと思ったら生け簀にいるのをそのまま使うしかない。
年末、厨房はてんやわんやになります。

おせちのしつらい

箱は特注です。指物師が釘一本も使わずに作っている。
家庭画報のお客さまは本物指向ですから、プラスチックに塗りがかかったような
安っぽい箱はいらないと思います。
一期一会で正目がきれいに通った木地のものなら、喜んでもらえる。
もったいないと思いながら、蓋以外は燃えるゴミに。
きれいだけど捨てようと思うくらいのものでないと喜んでいただけないんです。
そこで、蓋だけ残しておこうかと思ってもらえるように
蓋に絵を描いてもらおうと思った。
蓋の絵を描いているのは御所人形師の先生、島田耕園先生です。
先生は友人なので、直接お願いできた。普通なら、「えっ?」てなもの。
先生の絵は色使いが有職さん。
有職さんは五色の色が違うし、使う絵の具が違います。
マットで可愛らしく色も鮮やか。
はんなりした感じが狙いだったのでいい感じに仕上がったと思います。
先生曰く、今回の酉の絵柄は「丸いとこだけ見たら卵みたいやろ」って。
これで七年目。十二支一回りするまであと五年だと。
お互いがんばろうと言い合っています(笑)。

御所人形師、島田耕園さんによる干支シリーズの蓋も今年で7年目。今やコレクターズアイテムです。
12月8日(木)まで受付中「菊乃井本店」特製三段おせち/限定25セット 172,800円(税込)
この商品の販売は終了いたしました