使ってほしい!この逸品 | 【田中帽子店】手仕事で生み出す“夏の涼”

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使ってほしい!この逸品

【田中帽子店】手仕事で生み出す“夏の涼”

  • 2017/06/19

明治13(1880)年創業の「田中帽子店」。良質の麦わらを用いた帽子づくりを春日部の伝統工芸にまで高めた中心的な存在。 現在も東日本で唯一、手作りで量産できる工房としてレジャー帽子や制帽などを手がけています。

様々なデザインの木型。欧米では楕円なのに対し、田中帽子店の木型は日本人の頭に合った丸型が主流。

日本人にぴったりのかぶり心地
麦の産地として知られた埼玉県春日部市。
良質の麦わらを使って、江戸時代の終わりごろから麦わら帽子づくりがさかんになりました。この伝統の技を150年もの間、担ってきたのが田中帽子店です。
昔と変わらない確かな手仕事に、新しい感性をミックス。日本人にフィットす るファッショナブルな“夏の涼”が生まれています。

出来映えを左右する渦巻き
帽子づくりは、まず帽体縫いから。
麦を平たくつぶし紐状にした麦稈真田(ばっかんさなだ)を環縫いしていきます。
1本の糸を用いるので縫製箇所の伸びがよく、心地よいフィット感を生み出します。
いちばん難しく、美しいカタチの要となるのは、出だしの渦巻き。最初は慎重に、じょじょにリズミカルに。時折、木型にはめて形をチェックしながら。 手の感触を頼りに、帽体からつばまで優雅なカーブを描いて一気に縫い上げます。

前進だけの機能をもつ昭和初期の小型ミシン。指先の感覚を頼りに美しい渦を縫い上げます。

凜々しいシルエットにする型入れ
中折れ帽や中浮き帽など、パリッとした形状が身上の麦わら帽子に欠かせない工程が、この型入れです。
加熱した型に帽子をはめて、内側からゴム風船を水圧で膨らませてプレス。麦わらの表面がよりなめらかに仕上がり、いわば帽子のアイロンがけです。

麦わらを縫った糸が溶けない絶妙の温度で、カタチを整える型入れ作業。

型崩れしにくくする寒干し
冬から早春にかけての乾燥した青空のもと、天日にさらして湿気を取り除きます。
自然の力を借りて、ゆっくりと。このひと手間が帽子の編み目を引き締め、型崩れを防ぎます。

かぶり心地の決め手は内縫い
帽子の内側に、汗止めテープを縫いつけていきます。
直接頭に触れる部分だから、丁寧に、しっかりと。
だから長時間かぶっていても頭を締め付けず、かぶり跡がつきません。
最後にリボンなどの飾り付けを施し、帽子に個性を吹き込みます。

確かな技と心意気は4代目田中行雄さん(右)から6代目優さんへと受け継がれています。

通常の麦稈真田(ばっかんさなだ)は幅が9〜10mmですが、今回の商品はさらに細い7〜8mm幅。高い縫いの技術を要するぶん、緻密で上品な仕上がりに。

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バイヤー江口 隆一

「ジャンルはワイド、セレクトはニッチ」(汗)。
手仕事やインテリア、器にファッションなど、ジャンル広く担当。モノの背景に滲む、作り手の工夫や心意気に惚れるタイプ。
「機能がカタチになっている道具」の潔さ、わかりやすさが好き。売上もニッチで、悩み中。。。

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