新たな年の福をもたらしてくださる歳神様とともに食事をし、家族の幸せを祈念するおせち。その一品一品には寿ぎの心とともに、人々の幸せへの願いが込められています。例えば、子孫繁栄や五穀豊穣、無病息災などを意味する祝い肴三種。不老長寿を象徴する海老やあわびを使った料理や、金運や勝負運が上がるとされる栗きんとんもその一例です。色彩や形、食材の取り合わせ、調理法やネーミングなどの趣向をこらした縁起物を味わいながら、心身に福を授かります。
【黒豆】
「丈夫で健康」「真面目で勤勉」を意味する「忠実(まめ)」とかけ、一年まめに働けますようにという願いが込められています。
【数の子】
数万個が密集するにしんの卵は子孫繁栄を意味する縁起物とされ、昔からお正月や結納などの祝い事に欠かせない高級食材です。
【田作り】
イワシ類が田畑の上質な肥料とされていたことから「田作り」と名付けられた、五穀豊穣の象徴。五万米(ごまめ)とも呼ばれます。
【たたきごぼう】
ごぼうはしっかり根を張ることから、家族や家業が安定するなどの縁起があると言われます。特に関西のおせちに欠かせない一品。